アジア圏における彼の評価を決定づけたのが、奇才ナ・ホンジン監督が手掛けた2016年のサイコスリラー映画『哭声/コクソン』だ。山深い村に突如として現れた「正体不明の男」を演じ、全編にわたって圧倒的な不穏さを撒き散らした。
極寒の山中をほぼ裸足で疾走し、生肉に食らいつくといった過酷を極めた撮影現場。一切の妥協を排して挑んだその演技は韓国映画界に激震を与え、外国人俳優として史上初となる青龍映画賞の男優助演賞と人気スター賞の2冠に輝いた。言葉の壁を完全に超越した表現力は、アジア全域のシネフィルたちに深い爪痕を残した。