ハヤタ隊員役を演じた黒部進と二瓶正也の間には、役柄を超えた深い信頼関係と友情が存在していた。カメラが回っていないスタジオの片隅でも、二人は常に作品のリアリティについて熱く議論を戦わせていたという。主人公としての静かな情熱を湛えるハヤタと、感情を露わにして現場を和ませるイデ。対照的な二人のバランスが、科学特捜隊という組織のリアルな空気感を作り出していた。
過酷な撮影スケジュールの中、怪獣とのアクションシーンや爆破の特効が伴う危険な現場でも、黒部進と見せた息の合ったコンビネーションは異彩を放っていた。二瓶が演じるイデのコミカルなアドリブに対して、黒部が絶妙な間合いで受け止める。その掛け合いの多くは、事前のリハーサルなしで生まれたライブ感溢れるものだった。互いへの絶対的なリスペクトがあったからこそ、あの大騒動の中にも温かみのある名場面が幾度となく誕生したのである。