新房昭之監督とアニメーション制作会社シャフトが手掛けたテレビアニメ版『3月のライオン』も、視聴者の間で独自の評価と賛否を呼びました。シャフト特有のアヴァンギャルドな映像表現や、極端な色彩設計、象徴的なカット割りは、原作の持つ重苦しさをさらに増幅させる効果を生んでいます。
零が抱える重度のうつ状態や孤独感を表現した水底に沈んでいくような演出や、緊迫した対局シーンでの静寂の使い方は「神がかった心理描写」と絶賛された一方、一部の視聴者からは「演出が過剰で息が詰まる」「精神的に参っているときに見ると引きずられる」という意見も上がりました。
原作の持つ情緒的なモノローグをそのまま映像に落とし込んだ結果、アニメという媒体ならではのテンポ感を損なっていると感じる層もおり、演出の尖り方が作品への好悪をより際立たせる結果となりました。