受験業界において頻繁に見られる誤解が、「東進の有名講師の講座を取りさえすれば自然と偏差値が上がる」という盲信です。現場の指導データによると、講座を契約しただけで満足してしまい、成績が伸び悩む受講生には共通した落とし穴が存在します。
第一の盲点は、映像授業の「わかったつもり」現象です。東進の神講師陣の講義は解説があまりにも鮮やかで論理的なため、受講生は画面を見ているだけで自分が問題を解けたかのような全能感を抱きがちです。しかし、認知心理学の研究でも実証されている通り、受動的なインプットのみでは記憶の定着率は極めて低く、自力で白紙から答案を再現する「想起練習(アウトプット)」を伴わなければ本番の得点力には結びつきません。
第二の盲点は、レベルのミスマッチです。校舎での担任助手・チューター面談において、高望みした志望校レベルに合わせた上位講座を提案され、基礎が抜けた状態でハイレベル講座を受講してしまうケースです。偏差値50前後の生徒が苑田先生の物理や長岡先生の数学を受講しても、前提となる概念理解が追いつかず、時間と費用を浪費してしまう危険性があります。