「マット交換時に誤って蛹室を崩してしまった」「幼虫がケースの底で蛹室を作り、底面が抜けてしまった」という緊急事態には、速やかに人工蛹室(じんこうようしつ)を作成して蛹を保護しなければなりません。蛹室が壊れたまま放置すると、寝返りが打てずに羽が伸びきらない「羽化不全」を起こして命を落とします。
人工蛹室の作り方には、主に「トイレットペーパーの芯」を使う方法と「園芸用吸水スポンジ(オアシス)」を使う方法の2種類があります。
【トイレットペーパー芯を使った緊急用人工蛹室】
1. トイレットペーパーの芯を蛹の体長に合わせてカットする。
2. 芯の底に湿らせたティッシュを詰め、抜け落ちないようにする。
3. プラスチックカップなどの容器に芯を立て、約15度〜20度の傾斜をつけて固定する。
4. 内部に湿らせたキッチンペーパーを敷き、ツノを上側にして蛹を静かに寝かせる。
【園芸用吸水スポンジ(オアシス)を使った高精度人工蛹室】
1. 100円ショップ等で販売されている園芸用吸水スポンジを飼育容器のサイズに合わせて切る。
2. スプーンの背などを使い、蛹のサイズより一回り大きい楕円形のくぼみを掘る。
3. 頭側を深く、お尻側に向かって浅くなるように掘り、自然なスロープ(傾斜)を作る。
4. スポンジに水を十分に含ませ、余分な水分を軽く切った後、内側を湿らせたティッシュ等で滑らかに整える。
5. 蛹を仰向け(または腹ばい)の自然な向きでくぼみに安置する。
人工蛹室で最も重要なのは「縦方向の傾斜」と「適度なホールド感」です。平らな場所に蛹を置くと、羽化時にツノやお尻を押し当てて殻を脱ぐ足場がなくなり、高確率で羽化不全に陥ります。頭部が少し高くなる角度を必ず維持してください。