皮膚科クリニックの臨床現場や美容相談窓口には、「特別な化粧品に変えていないのに急に肌が荒れた」「まぶたが赤く腫れ上がった」という相談が絶えません。その原因を深く探ると、「3年前に買ったお気に入りのデパコスアイシャドウを使った」「昨年の夏に開封した日焼け止めをそのまま使った」というケースが驚くほど多数を占めています。
SNSや大手Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋、コスメレビューサイト)でも、使用期限切れコスメによる生々しいトラブル報告が後を絶ちません。
【リアルユーザーの体験談・告白】
「成人式のときに買った限定ハイライト、5年経っても底が見えないから使っていたら、頬全体に細かい白ニキビが大量発生。皮膚科で『ブラシと古いコスメの油分酸化による接触皮膚炎』と診断されてショックだった……。」(20代女性・会社員)
「久しぶりに使ったお気に入りのデパコスリップ。つけた瞬間からなんとなくクレヨンみたいな古い油の匂いがしたけれど、我慢して1日過ごしたら夜には唇の皮がボロボロに剥けて真っ赤に腫れた。治療代の方が高くついた。」(30代女性・主婦)
なぜ古い化粧品はここまで肌に悪影響を及ぼすのでしょうか。化粧品中の油脂成分(植物油やエステル油など)は、空気中の酸素と紫外線によって「過酸化脂質」へと変化します。過酸化脂質は肌のバリア機能を直接破壊し、ターンオーバーを狂わせ、メラニン生成を刺激してシミやくすみの引き金になります。
さらに、湿度が高いドレッサーや洗面所に置かれたリキッド製品・マスカラ内部では、黄色ブドウ球菌や緑膿菌、真菌(カビ類)などの病原性微生物が繁殖している実態が学術研究でも報告されています。劣化コスメを顔に塗る行為は、酸化した油と生きた細菌を直接肌に擦り込んでいることと同義なのです。