卵から孵化したばかりの稚魚、いわゆる針子の飼育においては、強力なエアーポンプを用いた水流が命取りになる。体長わずか数ミリの針子は遊泳力がきわめて弱く、人工的に作られた水流に巻き込まれるだけで体力を消耗し、疲弊して命を落としてしまうからだ。この時期だけは、徹底して静かな水環境を維持しなければならない。
稚魚の生存率を最大化させる繁殖テクニックとしては、強いエアーをかける代わりに、水深を浅くして水面からの酸素補給を助ける手法が推奨される。どうしても水質の悪化を防ぎたい場合は、エアーの吐出量を微量に絞るか、気泡が直接当たらない工夫を施すのが賢明だ。水流のストレスを取り除いてやることで、針子の初期死亡率は劇的に低下し、健やかな成長へと繋がっていく。