一方で、称賛ばかりが取り巻いているわけではない。伝統的な工芸や美術の守護者を自認する層からは、彼女のデジタル手法や異素材の組み合わせに対して疑問の声もあがる。「伝統の脈絡を軽視している」「過剰にスタイリッシュだ」という批判もゼロではない。
これに対し、美術批評家の佐藤健太郎氏は異なる視点を提示する。「彼女は伝統を破壊しているのではない。固定化されて呼吸を止めた伝統美学に、新しい時代の酸素を送り込んでいるのだ」。物議を醸すこと自体が、彼女の作品がいかに時代の一番痛い部分を突き刺しているかの証明と言える。