日常会話やニュースで混同されがちな「マフィア」「ヤクザ」「ギャング」ですが、犯罪社会学や法執行機関の定義において、これら3者は組織構造や活動理念が根本から異なります。
本来の「マフィア」とは、イタリアのシチリア島を発祥とし、血縁や厳格な儀式によって結ばれた秘密結社を指します。最大の特徴は、自らの組織の存在を公には絶対に認めない「完全な地下潜伏性」です。
対照的なのが日本の「ヤクザ(暴力団)」です。日本のヤクザは歴史的に事務所に看板を掲げ、警察に組織名や幹部名簿が把握されているという、世界的に見ても極めて特殊な「公然性」を持っていました。暴排条例の強化により地下化が進む現在でも、組織の存在自体を不可視化するマフィアとは成立の背景が異なります。
一方、「ギャング(ストリートギャング)」は、特定の地域や人種を基盤に自然発生する不良集団や武装グループを指します。組織の規律は流動的で、麻薬の小売りや強盗など短絡的な凶悪犯罪を繰り返す傾向が強く、マフィアのような数百年続く洗練された階級制度や企業買収を行うほどの経済力は持ち合わせていません。