小学校で「円周率は3.14」と習った経験から、「$\pi = \frac{314}{100} = \frac{157}{50}$ だから有理数ではないか」と疑問を抱く人が後を絶ちません。しかし、「3.14」や分数の「$\frac{22}{7}$」は人間が計算の便宜上用いている近似値に過ぎません。
真の円周率 $\pi$ は、 $3.1415926535\dots$ と規則性なく無限に続く「循環しない無限小数」です。円周率が整数同士の比率(分数)として表せないことは、1761年に数学者ヨハン・ハインリヒ・ランベルトによって厳密に証明(ランベルトの証明)されました。これにより、$\pi$ が無理数であることは数学的に不可逆の事実として確立されています。
さらに高校・大学数学で登場する自然対数の底であるネイピア数($e \approx 2.71828\dots$)も同様です。ネイピア数も循環しない無限小数であり、オイラーらによって無理数であることが証明されています。これら超越数と呼ばれる高度な無理数は、どれほど計算技術が進化しても分数でピッタリ表すことは原理的に不可能です。