学歴も初期の職歴も偽りであったにもかかわらず、水原氏がメジャーリーグの一線で長年重宝された理由は、彼が持っていた「現場での高い実用英語力と人間関係構築力」にありました。
7歳からアメリカ現地で育ったため、日常会話やロッカールームで交わされるスラング、審判や相手選手との咄嗟のやり取りに関しては完全にネイティブレベルの運用能力を有していました。取材現場でも、大谷選手の意図を汲み取った過不足のない受け答えを行い、首脳陣やチームメイトからも「気配りができる最高の通訳」として絶大な信頼を獲得していたのは紛れもない事実です。
しかし、専門的な通訳訓練や法学・ビジネスに関する高等教育を受けていなかった弱点は、複雑な契約交渉や財務管理において顕著に現れました。大谷選手の銀行口座の管理を一手に引き受け、代理人や会計士との窓口を独占した結果、誰のチェックも受けないブラックボックスを作り出し、未曾有の不正送金へと手を染める環境を自ら構築してしまったのです。