国内男子メジャートーナメント「日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」が20年以上にわたり開催され続けている事実こそが、このコースの怪物たる所以を物語っています。公式データにおいて、西コースのフルバックティー(トーナメント仕様)からのコースレートは74.8、レギュラーティーからでも71.5前後という数値を誇ります。アマチュアが日常的にプレーする一般的なコースの平均レート(68〜70程度)と比較すると、数字だけでもその厳しさは突出しています。
「西コースの難易度がヤバい」と評される最大の要因は、単に総距離が7,400ヤード超と長いだけでなく、自然の樹木と池、巧みに配置されたバンカーが視覚的プレッシャーを増幅させている点にあります。フェアウェイは一見広く見えるホールもありますが、落としどころがわずか数ヤード単位で限定されており、少しでもティーショットがブレれば深いラフや密集した林が待ち受け、ペナルティに直結します。
その西コースにおいて、最大のハイライトであり数多くのドラマを生んできたのが「17番ホール(パー4)」です。このホールのレイアウトは、設計者の緻密な悪意すら感じさせる完成度を誇ります。ティーイングエリアからグリーンまで左サイド全体に広がる大きな池、右サイドに迫る原生林、そして左傾斜のフェアウェイ。セカンドショットでは、左手前へと張り出した池と、奥に待ち構えるバンカーのプレッシャーを受けながら、長めのクラブでピンポイントにグリーンを捉えなければなりません。
テレビ中継でも、優勝争いをしていたトッププロがこの17番ホールで池に捕まり、トリプルボギーを叩いて一瞬にして栄冠を手放す光景が何度も放映されてきました。アベレージゴルファーにおける宍戸ヒルズ 17番ホール 攻略の鉄則は、「ボギーオン狙い」に徹することです。ティーショットを無理に飛ばそうとせず、確実にフェアウェイ右サイドの平坦なライへ置き、セカンドショットも花道の手前へ刻む。プライドを捨てて3オン2パットのボギーを受け入れられるかどうかが、西コース全体のスコアを崩さないための分水嶺となります。