伝統的な祈りの空間は現在、テクノロジーの進展によって新たな局面を迎えている。病室のベッドの上で外出が制限されている重症患者に向けて、YouTubeを活用した公式の祈祷生中継や遠隔参拝を実施する寺院が増加した。画面越しであっても、僧侶の読経や揺らめく灯明の様子をリアルタイムで体感できる試みは、孤立しがちな療養生活において大きな慰藉となっている。
また、NHKオンデマンドをはじめとする映像配信プラットフォームでは、医療と宗教の交差点に迫るドキュメンタリーが数多く配信され、人々の関心を集めている。さらに、治療の一区切りがついた寛解期の患者やその家族の間では、寺社仏閣巡礼・宿坊体験への参加が注目されている。朝のお勤めや精進料理、静寂に包まれた空間での瞑想を通じて、傷ついた心身を根本からリセットする滞在型のケアが支持を広げているのだ。