ニュースで頻繁に並び称される「共同通信」と「時事通信」ですが、両者の性質や役割には明確な違いが存在します。メディアリテラシーを高める上でも、この2社の違いを把握しておくことは非常に重要です。
最大の違いは組織形態と主要な顧客層にあります。共同通信が地方紙やNHKなどのメディアを主たる加盟社とする「非営利の社団法人」であるのに対し、時事通信は「株式会社」として運営されています。時事通信は一般メディアへの配信だけでなく、金融機関、一般企業、中央省庁などに向けた専門的な経済ニュースや行政情報の端末配信を強力な収益源としています。
報道の傾向にも差が見られます。共同通信は加盟社である一般地方紙の幅広い読者層に向けて、政治・社会・国際・文化・スポーツといった総合ニュースを網羅的にカバーし、社会正義の追求や権力監視を前面に押し出す傾向が顕著です。一方の時事通信は、マーケットや行政の動向を迅速かつ冷徹に伝える実務情報に強みを持ち、政治報道においても比較的抑制的で事実の淡々とした記録を重視するスタンスが目立ちます。