メガネのレンズを外す際、最も大切な基本原則は「レンズの内側(目側)から外側(表側)へ押し出すこと」です。メガネフレームの溝(リムウェイ)は、外側からの衝撃でレンズが眼球側へ飛び込まないよう、外側へ外れやすいテーパー構造に設計されているためです。ここでは代表的な3つのフレームタイプ別に、失敗しない具体的な脱着手順を解説します。
1. セルフレーム(アセテート・TR-90)の外し方
セルロイドやアセテート、超弾性樹脂(TR-90等)が使われているセルフレームは、素材の柔軟性を活かして取り外します。まずはメガネクロスでレンズ全体を包み込み、傷を防ぐクッションを作ります。フレームの鼻側(ブリッジ)と耳側(テンプル根本の智部分)を両手でしっかり固定し、レンズの内側から親指の腹を使って、レンズの角(通常は耳側の下または上)に向かって斜め前方へ適度なテンションをかけて押し出します。無理な点荷重を避け、面で押し出す感覚を掴むのがコツです。
2. メタルフレーム(フルリム・金属枠)の外し方
チタンや合金のメタルフレームは柔軟に変形しないため、無理に押し出すと枠の歪みやレンズのチッピング(欠け)を招きます。必ず智(ヨロイ)部分にある固定ネジを精密ドライバー(JIS規格0.8mm〜1.2mm)で緩めて作業します。ネジを完全に抜き去ると紛失の原因になるため、枠にわずかな隙間ができる程度(2〜3回転)緩めるだけに留め、隙間から優しくレンズを取り出します。
3. ナイロール(ハーフリム・糸留め)の外し方
下部や上部がナイロン糸(テグス)で固定されているナイロールフレームは、押し出し厳禁です。幅5mm程度の薄いフィルムリボンや荷造り用ナイロンテープをレンズと糸の隙間に通し、フレームの溝から糸を外すように優しく引っ張ることで、テンションを解除して安全に取り外せます。