二次流通市場や正規リペアの現場で取材を進めると、スペックシートの数値だけでは見えてこない「リアルな実情」が浮かび上がってきます。
大手ブランド買取専門店のリユース鑑定士は、次のように語ります。
「メルカリやヤフオクなどのフリマアプリに流れてくる3フォールドの約4割は、購入後1年未満のコンディションです。売却理由の多くが『思っていたよりカードが入らない』『スーツの内ポケットに入れるとクロスボタンが引っかかる』というもの。クロムハーツ特有の美学を日常の利便性より優先できる覚悟がないまま、ブームに乗って手を出してしまったユーザーが手放している構図が見受けられます」
一方で、3年以上使い込み、リペアを重ねながら所有し続けるコアユーザーの満足度は極めて高いのが特徴です。ヘビーレザーに定期的にデリケートクリームを入れ、ブラッシングを繰り返すことで、漆黒の革は艶やかな濡れ感を放ち始めます。シルバーのクロスボタンも、凸部分が衣服で擦れて輝き、凹部分には深い燻しが沈着して、唯一無二のコントラストを描き出します。
また、近年のクロムハーツは一部モデルでシボ感の強い「ソフトレザー」や、繊細な手触りの「ノベルティレザー」を展開することもありますが、過酷なポケット携行に耐えうる耐久性を求めるのであれば、依然としてヘビーレザー一択であるというのが愛好家の共通認識です。