まず押さえておきたいのが基本的な定義です。常夜燈の読み方は「じょうやとう」であり、文字通り「一晩中(常夜)、絶やすことなく灯し続ける明かり」を意味します。現在では「常夜灯」と表記されることも多く、室内の保安球(豆電球)を指す言葉としても親しまれていますが、歴史的な起源は屋外に設置された大型の照明施設にあります。
混同されやすい存在として「灯籠(とうろう)」が挙げられますが、両者には明確な目的と運用の違いが存在します。一般的な灯籠は、寺社の荘厳な空間演出や日本庭園の景観美化、あるいは特定の祭礼時に一時的に火を灯す装飾的・儀礼的要素が強いものです。対して常夜燈は、日没から日の出まで文字通り夜通し点灯し続ける実用インフラとしての使命を帯びていました。
石造常夜燈の構造と仕組みを見ると、上から順に「宝珠(ほうじゅ)」「笠(かさ)」「火袋(ひぶくろ)」「中台(ちゅうだい)」「竿(さお)」「基礎(きそ)」という精緻なパーツで構成されています。風雨で火が消えないよう火袋には障子や木枠の窓が施され、内部の油皿に菜種油や魚油を満たして灯芯を燃やすことで、過酷な自然環境下でも夜通し光を放ち続ける堅牢な設計が採用されていました。