危機は自然環境にとどまらず、地域の経済基盤そのものを脅かす。ホタテやカキの養殖で全国的に知られる北海道の基幹産業、すなわち水産業は、水温変化や津波による壊滅的打撃のリスクに直面している。養殖いかだの全壊や港湾設備の破壊が起きれば、地域経済の復旧には数年単位の年月が必要となる。
こうした中、急速に台頭しているのが最先端の防災産業だ。自動で津波警報を感知し閉鎖する水門システム、AIを活用した即時避難誘導アプリ、自立型耐震シェルターなどの技術開発が急ピッチで進む。産業を守り、人命を救うための新しいテクノロジーが、リスクと背中合わせの現場で新たな生存戦略として実装され始めている。