インフルエンザ治療で処方されるリレンザやイナビルといった抗ウイルス吸入薬は、発症後48時間以内にウイルスの増殖を止めるための薬剤であり、すでに生じてしまった気道の炎症や解熱後の咳を直接鎮める作用はありません。そのため、治りかけの時期に咳だけが残っている段階で抗ウイルス薬を追加使用することは通常ありません。
解熱後の咳を緩和するために市販薬(OTC医薬品)を活用する場合、症状のタイプに応じた適切な成分選びが鍵となります。
・痰が絡まないコンコンとした乾いた咳:中枢性鎮咳成分(デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物など)が含まれた咳止め薬が適しています。
・痰が喉に張り付いて切れない咳:気道粘液を正常化する去痰成分(L-カルボシステイン、アンブロキソール塩酸塩など)を優先します。
・長引く気道過敏や体力の消耗:漢方薬の「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」が、乾燥した喉を潤し気道過敏を鎮める選択肢として定評があります。
ただし、市販の総合感冒薬には不要な解熱鎮痛成分や抗ヒスタミン薬が含まれており、かえって口や喉を乾燥させて咳を悪化させる場合があるため、単一効能の薬剤を選ぶことが推奨されます。