本作の配給を担った松竹株式会社の戦略も見事だった。コアなファン層に向けた先行情報公開から、かつて子ども時代に作品を観て育った20〜30代の大人たちをターゲットにしたプロモーションを展開。口コミが爆発的なスピードで拡散し、劇場には異例のリピーターが押し寄せた。
日本アニメーション産業において、長寿ファミリーIPのシリアス映画化は常に大きなリスクを伴う。しかし本作は、妥協なきクオリティと原作への深い敬意を貫くことで、既存の枠組みを打破する新たな成功モデルを提示した。深夜アニメ発の劇場版が市場を席巻する昨今において、夕方枠アニメの底力を見せつけた歴史的な一作といえる。