白石死刑囚の連続殺人が終焉を迎えた背景には、最後に犠牲となった東京都八王子市の女性(当時23歳)の実兄による必死の捜査協力がありました。妹の突然の失踪に危機感を抱いた兄は、彼女のパソコンからTwitterアカウントのログイン情報を割り出し、足跡を精査。妹と親密にメッセージを交わしていた怪しいアカウントの存在を特定しました。
兄は自ら情報提供を呼びかけるとともに、ある女性ユーザーの協力を得ることに成功します。この協力者の女性が「死にたい」と装って白石死刑囚にコンタクトを取り、駅前で会う約束を取り付けました。待ち合わせ場所に現れた白石死刑囚を張り込み中の警察官が尾行し、アパートの部屋を突き止めたことで、未曾有の凶悪事件は白日の下に晒されたのです。
事件後、世間では「座間事件に生き残りはいたのか」という点に関心が集まりました。白石死刑囚の部屋に足を踏み入れた9名は全員が命を奪われており、室内からの生還者はいません。しかし、SNS上でやり取りを続けながら直前で不審感を抱いて会うのを断った女性や、兄の捜査に協力しておとり役を務めた女性など、紙一重の差で命を長らえた人々が存在していました。彼女たちの存在は、デジタル空間における直感的な防犯意識の重要性を雄弁に物語っています。