清掃労働者のプライドと公衆トイレの美観を描き、国際的な喝采を浴びたヴィム・ヴェンダース監督の映画『PERFECT DAYS』。そこでは日本の洗練されたトイレ文化と高い公衆衛生観念が誇り高く映し出されていた。一方で、東京の歓楽街と闇社会のリアルを描いたハリウッド共同制作のドラマ『TOKYO VICE』は、眩い都市のネオンの裏に潜む混沌と歪みを浮き彫りにした。
いま渋谷駅で起きている現実は、まさにこの二つの作品が示した「光と影」の摩擦点と言える。美しく機能的な都市空間という理想像の裏で、深夜の混沌とした人間の欲望や社会的孤立が露出している。映像作品が映し出したフィクションとノンフィクションの境界線上で、東京というメガシティの本質が試されている。