かつて来客用の椅子といえば、押し入れの奥深くにしまい込み、親戚が集まる年末年始や法事の時だけ引っ張り出してくる存在だった。だが、現代の日本のリビング空間において、その常識は完全に過去のものになりつつある。住まい全体の面積が限られるなか、デッドスペースを作らないスマートな家具選びが急務となっているからだ。
東京・表参道でインテリアスタイリングを手がける一條由香利氏はこう語る。「現代の住まい手は『隠す収納』から『魅せる多機能』へと完全にシフトしました。来客がいない日常でも部屋のノイズにならず、むしろインテリアのアクセントとして輝くこと。そしていざ人が集まった時には、主役級の座り心地を提供する。この二面性こそが、今もっとも求められている要素です」