医療技術の進展はめざましく、乳がん治療の選択肢は近年で劇的に広がっている。がんの性質を遺伝子レベルや分子レベルで特定し、患者一人ひとりに最適な薬剤を組み合わせる「個別化医療(プレシジョン・メディシン)」が標準的なアプローチとなった。
ここで主導的な役割を果たすのが腫瘍内科学の専門医たちだ。手術による切除だけでなく、術前・術後の薬物療法、ホルモン療法、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などを精密に組み合わせ、再発リスクの低減と生活の質(QOL)の維持を両立させる治療戦略が構築されている。副作用をマネジメントする支持療法の充実により、治療を継続しながら仕事を続ける選択肢も現実的なものとなった。