同僚が不機嫌そうに仕事をしていると「自分が何か怒らせるようなことをしただろうか」と不安になる。子どもが宿題をやらないと焦って怒鳴り散らしてしまう。これらに共通しているのは、「他者がコントロールすべき問題」に自分が勝手に介入しているという点です。
アドラー心理学では、人間のあらゆる悩みは「対人関係の悩み」であると断言します。そして、その対人関係トラブルが起きる課題の分離ができない理由の筆頭として挙げられるのが、過剰な承認欲求と見返りを求める心理です。「相手に良く思われたい」「自分が導いてあげなければ相手が失敗する」という思い込みは、親切心の皮をかぶったコントロール欲求に過ぎません。
相手の機嫌や選択は、どこまでいっても相手の領域です。そこに介入しようとするからこそ摩擦が生じ、思い通りにならない相手に対して無力感や強い怒りを抱くことになります。他人の領域に土足で踏み込むのをやめることこそが、根本的な人間関係のストレス解消への第一歩です。