駅の東と西を隔てていた巨大な「壁」が、ついに消え去ろうとしている。線路上空を跨ぐデッキや地下通路の再編を進める「新宿駅グランドターミナル構想」は、単なる駅舎の建て替えではない。東西の人間流動を根本から変え、歩行者中心の滞在型都市へ移行するための国家戦略級のプロジェクトだ。
事業を牽引するJR東日本をはじめとする鉄道各社や開発事業者は、駅機能と街の境界を曖昧にする工夫を凝らす。かつて迷宮と揶揄された構内は、直感的に移動できる立体的な広場へと再構築されつつある。老朽化したビル群の解体と新たな複合ビルの建設が並行して進み、街の物理的なスケール感そのものが劇的な変容を遂げている。