事態の推移で最も際立っていたのは、二人に対する世間の叩き方の圧倒的な「温度差」だった。R&B界の女王として君臨していた女性アーティスト側には、過剰なバッシングと業界からの事実上の締め出しとも呼べる強烈な圧力が集中した。一方で、若き白人男性シンガー側は比較的軽微な批判で済み、その後も第一線で華々しいキャリアを築き続けた。
この露骨なダブルスタンダードは、ポップ・ミュージック界や大手メディア業界に潜む人種的・性的な偏見を浮き彫りにした。不当な批判を受けた側がラジオやテレビ番組のプレイリストから排除される一方で、もう一方は何事もなかったかのように評価を高めていく不条理。この格差は、エンターテインメント界の暗部として長年議論の対象となり続けている。