長年にわたる作家活動のなかで、彼女が貫き通してきた姿勢とは一体何なのか。関係者への取材から浮かび上がってくるのは、決して安易な妥協を許さない徹底した現場主義と取材への執念だ。
実在の事件を題材とするノンフィクションを手掛ける際、彼女は膨大な裁判記録や資料を読み解くだけでなく、事件の現場へと幾度も足を運び、土地の匂いや関係者の細かな仕草まで五感で吸収してきたという。映像化のオファーが舞い込む際も、原作の魂が歪められないよう、プロット段階から製作陣と真摯に対話を重ねる。過去の栄光に甘んじることなく、常に現代社会の歪みや名もなき人々の悲哀にアンテナを張り巡らせるそのストイックな創作風景こそが、名作を生み出し続ける原動力なのだ。