全編を貫く最大の軸は、金と保身に異常な執着を見せる組長・山守義雄(金子信雄)と、復員兵であり義理を重んじながらも時代の濁流に呑まれていく主人公・広能昌三(菅原文太)の歪んだ師弟関係だ。
山守は手下を使い捨ての駒として扱い、涙を流しながら嘘をつき、利害次第で簡単に掌を返す。対する広能は、仲間たちの無残な死に直面しながらも、暴力組織の無情な論理の中に縛られ続ける。この二人の確執を軸に据えることで、周囲の幹部や若衆たちがどちらの陣営に傾き、どう利用されて消えていったのかというドラマの輪郭が鮮明に浮かび上がってくる。