ぶっかけうどんを注文する際、必ず聞かれるのが「温かいの冷たいの、どちらにしますか?」という問いです。直感で選ぶ人が大多数ですが、麺の物理的な構造変化に着目すると明確な判断基準が見えてきます。
丸亀製麺のうどんは、店内で粉から打ち、茹で上げた直後に冷水で一気に締められます。この工程によってグルテンの網目構造が凝縮し、表面は滑らかでありながら中心部に向けて力強い反発力を生み出します。
「冷」を選ぶべきシチュエーションは、何よりも丸亀製麺独自の強靭なコシと喉越しを体感したいときです。冷水で締めた状態のまま濃厚なつゆをかけるため、噛み締めるたびに小麦の香りと弾力が口内を満たします。夏場はもちろん、麺の状態が最も引き締まる秋冬にあえて冷製を選ぶ愛好家も少なくありません。
一方、「温」を選ぶべきシチュエーションは、もちもちとした柔軟な食感とだしの立ち上る湯気・香りを楽しみたいときです。一度締めた麺を再度熱湯に潜らせる「湯通し」を行うため、麺の表面がふっくらと膨らみ、濃厚なつゆがより奥まで染み込みます。胃腸に優しく、薬味の生姜の温熱効果を最大限に活かしたい寒い日にも最適です。