「ウイスキーはストレートやロックで飲むのが一番」という固定観念を、この場所は心地よく裏切ってくれる。オーナーの静谷氏は、ウイスキーそのものの個性を殺すことなく、むしろその魅力を何倍にも引き出すカクテルメイキングの第一人者として知られる。
ミクソロジーの技法を取り入れた一杯は、もはや芸術作品に近い。急速冷却した真空抽出のエキスや、自家製のエッセンスを組み合わせ、ベースとなるウイスキーの潜在能力を引っ張り出す。例えば、スモーキーなウイスキーにほうじ茶の燻香とボタニカルを掛け合わせた一杯は、海外からのゲストをひと目で魅了する。伝統への敬意を持ちながらも、常に新しい可能性に挑む姿勢が、グラスのなかに溢れている。