本作の成功を語る上で欠かせないのが、森下佳子による脚本の妙だ。よしながふみによる原作の緻密な心理描写と歴史のIF設定を尊重しつつ、テレビドラマとしての劇的なダイナミズムを一切損なわない構成力は圧巻の一言に尽きる。
男女が逆転しても、政治の醜さや親子の確執、愛する者を奪われる悲哀といった人間の本質は変わらない。登場人物の台詞一つひとつに多層的な意味が込められており、それが役者たちの潜在能力を極限まで引き出した。
型通りの時代劇に馴染みが薄かった若い世代をも惹きつけ、映像業界に新風を吹き込んだ意義は極めて大きい。