ショウの戦闘力が異次元と呼ばれる所以は、原初の炎「アドラバースト」を宿した第四世代能力者である点にある。伝導者とアドラリンクを果たすことで開花するその固有能力「切断する宇宙」は、作中屈指の凶悪さを誇る。
その理屈が実に秀逸だ。宇宙の熱膨張エネルギーを極限まで奪い取り、自らを除く周囲一帯の時間を極度の熱冷却によって停止させる。相手から見れば、ショウが一瞬で背後に回り込み、抜刀した瞬間に勝負が終わっているようにしか知覚できない。スピードで対抗しようとするシンラを幾度となく絶望の淵へ叩き落としたこの神速の居合術は、ファンタジーの皮を被ったハードなSF設定であり、原作者の緻密な設計が光るポイントだ。