埼玉に生まれ、北海道で育ち、京都で学び、萩で修行し、そして再び北海道へ。馬渡新平の人生は、まさに旅そのものだった。
その旅の果てに、彼は自分の表現を見つけた。野幌粘土、リンゴとサクランボの灰、刷毛目と粉引き。すべてが、余市という土地に根ざしている。
彼の器は、北海道の豊かさを伝える。土の力、自然の恵み、人の手仕事。それらが一体となった時、器は単なる容れ物を超える。
使うほどに愛着が湧く。それが、馬渡新平の器の魅力だ。大量生産品では得られない、特別な体験。それを求める人々にとって、彼の作品は宝物である。
これからも、余市の工房で、馬渡は土を練り続けるだろう。季節ごとに表情を変える器たち。それは、北の大地が育む「豊饒」の証なのだ。