身長179cm、均整の取れたプロポーションと、スッと切れ上がった涼やかな目元。今でこそパリコレモデルとして世界的なアイコンとして君臨する冨永愛ですが、その原点には思春期特有の深い苦悩が存在していました。彼女の自著や過去のドキュメンタリー特番における告白によると、学生時代は周囲と異なる高身長やシャープな顔立ちが原因で、心無いからかいの対象となり、自身の容姿に強い劣等感を抱えていた時期があったといいます。
当時の日本国内では、いわゆる「愛され系」「デカ目ブーム」の全盛期。二重幅を強調し、目を丸く見せるメイクが至上命題とされる中で、彼女のアジアンビューティーとしての個性は、国内の狭い物差しでは正当に評価されにくい環境にありました。しかし、17歳で単身ニューヨークやパリのランウェイへ飛び込んだ瞬間、その評価は180度転換します。
「その切れ長の瞳こそが素晴らしい」「あなたにしかないドラマがある」。欧米のトップデザイナーやフォトグラファーたちは、彼女の目元に東洋の神秘と圧倒的な気品を見出しました。他人の基準に自分を無理やり合わせるのではなく、生まれ持った素材を磨き抜いて提示することの強さを知った瞬間でした。この体験が、彼女が掲げるクールビューティーの真髄となり、世界中のモード界を牽引する強靭なセルフエスティーム(自己肯定感)へと結実していったのです。