昭和から平成にかけてランドマークとして親しまれた有名ホテル閉館の真相には、建築物の物理的寿命という避けられない壁があります。1970〜1980年代の高度経済成長期からバブル期にかけて建設された大型ホテルは、築40〜50年を迎え、配管設備や電気系統の全面刷新が必要な時期に達しています。
建て替えには数百億円規模の莫大な投資が必要となりますが、現在の建築資材価格および人件費の高騰により、投資回収の目処が立たないケースが目立ちます。結果として、営業継続を断念して敷地を売却する決断が下されます。
閉館後の動きとして主流になっているのが、ホテル跡地 再開発とホテル居抜き売却の2極化です。
大都市の一等地にある有名ホテル跡地は、不動産デベロッパーによって高級タワーマンションやオフィス、商業施設を組み合わせた複合ビルへと生まれ変わるケースが標準的です。一方で、地方都市や観光地の中規模ホテルは、外資系投資ファンドや大手ホテルチェーンへ居抜きで売却され、リブランドされて低コスト運営へシフトする流れが定着しています。