パスが網羅する対象施設は、パリ市内および近郊を合わせて50箇所以上に及ぶ。その中核をなすのが、かつて王宮であった広大なルーヴル美術館だ。展示面積の広大さは世界屈指であり、無計画に足を踏み入れると迷子になり兼ねないが、パスがあれば主要な見どころに絞った数時間の集中鑑賞も気兼ねなく行える。
セーヌ川の対岸に位置するオルセー美術館は、19世紀後半から20世紀初頭のアートが結集する旧駅舎の美空間だ。印象派の名作が並ぶ展示室は光に満ちており、ルーヴルとはまた異なる重厚かつ華やかな空気が漂う。
少し足を伸ばして郊外へ向かえば、絶対王政の象徴であるヴェルサイユ宮殿が姿を現す。鏡の間から広大なバロック様式の庭園に至るまで、フランスの歴史の豪奢さを肌で体感できるこの場所も、パスの対象に含まれている。都市部と郊外をシームレスにつなぐ周遊ルートを組める点に、このパスの真価がある。