各国の軍事力を定量化する軍事情報サイト「グローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)」の指標において、日本は例年、世界トップ10以内の上位グループに安定してランクインしている。イージス艦をはじめとする海上自衛隊の護衛艦隊や、高度な対潜哨戒能力、さらにF-35ステルス戦闘機を軸とする航空戦力は、兵器の質において世界屈指の評価を受ける。数字だけを切り取れば、極めて強固な海洋防衛網が完成しているように映る。
一方で、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータが示す軍事費の推移は、日本が長年の防衛費制約を脱し、支出規模において世界有数の水準へ到達しつつある現実を物語る。だが、軍事アナリストらはこの「ランキングの高さ」に過度な信を置くことに警鐘を鳴らす。GFPなどのランキングは保有装備数や経済力、インフラなどの総量を評価する性質が強く、実際の交戦における弾薬備蓄量、基地の抗堪性、指揮統制ネットワークの脆弱性といった実質的な戦闘持続力までは十分に反映されていないためだ。