原作の休載と並び、多くのファンが気に揉んでいるのがアニメ展開の停滞だ。2019年秋から4クールにわたって放送されたTVアニメ『あひるの空』は、テレビ東京系列で全50話が放映され、クズ高バスケ部が激闘を繰り広げる序盤から中盤のドラマを丁寧に映像化した。
だが、第2期以降のプロジェクトは事実上の凍結状態にある。その最大の要因として挙げられるのが、原作のストック問題とアニメーション制作業界特有の事情だ。アニメ第1期を手がけたアニメ制作スタジオのディオメディアによる映像化に際しては、演出方針やバスケットボールの躍動感の表現を巡り、原作者がSNS上で違和感を表明するなど、クリエイティブ面での緊張感が話題となった経緯もある。
アニメ続編が成立するためには、原作の連載再開によるプロモーションシナジーと、原作者が心から納得できる制作体制の再構築が不可欠となる。現時点で新規シーズンの制作発表が行われていないのは、商業的な都合だけで粗製乱造することを避け、日向武史の描く世界観を十全に表現できるタイミングを慎重に見定めているためだ。