二階堂ふみは、10代でヴェネツィア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)を受賞した『ヒミズ』(2012年)をはじめ、『私の男』(2014年)、『リバーズ・エッジ』(2018年)、『翔んで埼玉』(2019年)など、常に挑戦的な役柄で日本映画界のトップランナーとして走り続けてきました。
その輝かしいキャリアの中で、本作『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、彼女が「少女から大人の本格派女優へ」と完全に脱皮した金字塔的な代表作と言えます。清純さと狂気、エロスとタナトス(死への衝動)を同時に体現できる若手女優は極めて稀有であり、本作で見せた山崎富栄役の怪演は、後のNHK連続テレビ小説『エール』や大河ドラマ、日曜劇場『VIVANT』などで見せる重厚な演技への重要なステップとなりました。