アンテナを組み上げただけでは、設計通りの性能を発揮することはまずありません。現場の設置環境に合わせた厳密な「追い込み」が必要となります。
共振状態の可視化には、高周波アナライザーまたは通過型SWR計を用いたSWR測定調整方法を実践します。アンテナと測定器の間を最短の同軸で繋ぎ、26.968MHzから27.144MHzまでのVSWR(電圧定在波比)カーブをプロットしていきます。目標値は中心周波数においてSWR 1.2以下、全チャンネルで1.5以下です。
もし目的の周波数より低い周波数(例えば26.5MHz付近)でSWRが最低値を示す場合はエレメントが電気的に「長すぎる」ため、左右のエレメント先端を数ミリ単位で均等に折り返すか切り詰めます。逆に高い周波数で底を打っている場合はエレメントが「短い」ことを意味するため、導線を継ぎ足す必要があります。
グラウンドを必要とする1/4波長ホイップアンテナにおいて、飛びと受動効率の決定打となるのがカウンターポイズアース効果です。ホイップアンテナ単体では電気的な回路が完結せず、見かけのインピーダンスが跳ね上がって電波が効率よく放射されません。給電部のグラウンド(同軸の外部導体側)に、1/4波長(約2.7m)の導線を放射状に3本〜4本接続して地面に這わせる、あるいは空中に水平展開(ラジアル線)することで、大地との間に強力な仮想接地面が形成されます。
ベランダ運用者や山岳移動局の運用ログを検証すると、カウンターポイズの線長を数センチ調整しただけでSWRが3.0から1.1まで急減し、ノイズ混じりだった遠距離局の音声がクリアに復調されたという報告が多数を占めます。垂直ホイップにおけるカウンターポイズは、打ち上げ角を低く抑えて遠距離のEs反射を捉えるための必須機構です。
さらに受信感度向上のコツとして、アンテナ給電点の地上高(ハイトパターン)の確保が挙げられます。波長11mの電波において、地面から最低でも1/2波長(約5.5m以上)の高さを稼ぐことで、大地反射による打ち消し合いを防ぎ、アンテナ本来の真の利得を引き出すことが可能となります。