卓上の紙の上で小さなプラスチックのコマを動かす。これが従来の「すごろく」の姿だった。しかし、盤面を部屋全体や体育館の床へと拡張し、プレイヤー自身が足を踏み出すことで、ゲームの性質は根本から変化する。
視点が大きく変わる。鳥の目で見下ろしていた盤面の中に自らが没入する感覚は、参加者の当事者意識を飛躍的に高める。自分がどこに立っているのか、ゴールまであと何歩なのかを全身の感覚で捉えることになるのだ。
この「身体性」こそが、大人から子どもまでを夢中にさせる最大の要因だ。サイコロの出目ひとつで歓声が上がり、指定されたミッションを身振り手振りでクリアする過程で、参加者間の心理的距離は一気に縮まる。