若山富三郎が残した最大の功績は、日本のチャンバラアクションを芸術の域まで高めたその超絶的な技術にある。東映の任侠映画黄金期において『極道』シリーズなどで強烈な個性を発揮した彼は、劇画原作の『子連れ狼』シリーズで主人公・拝一刀を演じ、映画史に永遠に名を刻むこととなった。
柔道四段、少林寺拳法、居合術など多彩な武道を修めた肉体から繰り出される太刀筋は、スピード、重み、美しさのすべてにおいて他の追随を許さなかった。胴太乱舞の太刀で敵をなぎ倒し、乳母車に仕込んだ近代兵器を駆使する拝一刀の姿は、国内のみならず海外のカルト映画ファンやフィルムメーカーたちにも絶大な影響を与え続けている。