エムケイグループの歴史を開拓したのは、京都で「MKタクシー」を創業した故・青木定雄氏だ。「徹底した現場主義」と「既存権威への挑戦」を掲げ、タクシー業界の常識を次々と塗り替えてきたカリスマである。その強烈な情熱とビジョンを受け継ぎ、東京進出の舵取りを担った人物こそが青木政勝氏であった。
首都圏という巨大市場で勝負を挑んだ青木政勝氏の経営手法は、スピード感溢れる拡大路線と妥協のないサービス品質の追求だった。しかし、創業者が築き上げた巨大な威光と、急拡大する現場の歪みは徐々に歪みを生むことになる。過酷なコスト削減要請と厳格な管理体制が生み出す緊張感は、経営陣内部の不調和と孤独な葛藤を深めさせる要因となった。