SNSや知恵袋、美容フォーラムの投稿を分析すると、爪の凹凸に悩む層の間で「深刻なセルフケアの悪循環」が起きている実態が浮き彫りになる。
「人前に手を出すのが恥ずかしくて、爪やすりで表面を平らになるまで削り落としたら、爪が紙のように薄くなってシャンプーすら痛くなった」(30代女性・会社員)
「ボコボコを隠すためにジェルネイルを重ね続けていたら、オフした時に爪が緑色に変色(グリーンネイル)していた」(40代女性・主婦)
取材に応じた爪専門クリニックの看護師は次のように警鐘を鳴らす。
「表面の凹凸を物理的に削る行為は、自らバリア機能を破壊しているのと同じです。厚さ0.5mmしかない爪の表面を削れば、わずかな衝撃で割れやすくなり、深爪や爪甲剥離症を誘発します。隠すための過度なコーティングも、爪母への通気性や衛生環境を著しく損ないます」
また、近年小児科や皮膚科への相談で増えているのが子どもの爪の表面が凸凹する理由についての不安だ。幼児や学童期の爪は薄く柔軟であるため、泥遊びや指しゃぶり、靴の圧迫といった外力ですぐに波打つ。さらに、「手足口病」などのウイルス感染症を発症してから1〜2か月後に、爪の根元から深い横溝ができたり一時的に爪が脱落する「爪甲脱落症」が臨床現場で頻繁に報告されている。これは感染に伴う一過性の爪母機能低下であり、新陳代謝とともに3〜6か月で正常な爪に生え変わるため、焦らず保湿を継続することが推奨される。