なぜ月は地球に近づいたり離れたりするのか。その理由は、月が地球の周りを回る公転軌道が完璧な正円ではなく、わずかに押しつぶされた楕円形を描いているからだ。
天文学において、月が最も地球に接近する位置を「近地点(ペリジー)」、最も遠ざかる位置を「遠地点(アポジー)」と呼ぶ。近地点における距離は約35万6400キロメートル。これに対し、遠地点では約40万6700キロメートルまで離れる。その差はおおよそ5万キロメートル。地球の直径が約1万2742キロメートルであることを考えると、地球がそっくり4個分すっぽり入ってしまうほどの変動幅だ。
この距離の変動は、夜空の見た目にも直結する。近地点で満月を迎える「スーパームーン」の夜、月は遠地点にある満月に比べて直径で約14%、明るさで約30%も増して見える。私たちがふと見上げた夜空で「今日の月はなんだか大きく見える」と感じるのは、単なる気のせいではなく、物理的な距離が詰まっている証拠なのだ。