本作を語る上で欠かせないのが、親指・人差し指・中指の3本を突き出す合言葉「スリーピース」です。脚本を手掛けた鈴木おさむと演出陣が考案したこのポーズには、「ピース(平和)よりももっと幸せな3倍のピース」「自分と相手と、その周りのみんなが幸せになる」という意味が込められていました。当時、全国の小学校や街中で子どもから大人までが真似をする一大社会現象となりました。
さらに物語の熱量を加速させたのが、THE BLUE HEARTSの「夢」を中心とした劇中歌の数々です。主題歌「夢」をはじめ、「人にやさしく」「僕の右手」「旅人」など、ブルーハーツの名曲群が毎話のクライマックスで挿入され、登場人物たちの泥臭くも純粋な感情を代弁しました。
当時の制作関係者の証言によると、「不器用な男たちが理屈抜きで子どもとぶつかり合うエネルギーを表現するには、甲本ヒロトの剥き出しの歌声しかなかった」と振り返られています。過剰な説明を排し、ストレートなパンクロックで視聴者の感情を揺さぶる演出手法は、2000年代初頭のテレビドラマにおける画期的な試みでした。