タカラトミーの「リカちゃん お店屋さん」シリーズには、これまでサーティワン アイスクリーム、モスバーガー、ローソンなど多彩な実在チェーンが登場してきました。その中でもリカちゃん ミスタードーナツの存在感は突出しています。玩具流通関係者の証言によると、コラボ店舗シリーズの中でもミスド関連商品は「発売されるたびに定番棚のトップシェアを奪う絶対的キラーコンテンツ」として位置づけられてきました。
本シリーズが他の追随を許さない最大の理由は、「母娘2世代にわたる食体験の直結」にあります。母親自身が子どもの頃にミスドのドーナツを食べ、当時のリカちゃんで遊んだ記憶を持ち、現代の我が子と一緒にトングで「ポン・デ・リング」や「エンゼルフレンチ」をトレーに載せる――この一連の行為が、単なる玩具遊びを超えた情緒的なコミュニケーション装置として機能しているのです。
また、発達心理学における「役割取得(ロールテイキング)」の観点からも、ミスドのオペレーションは格好の教材となります。レジで「いらっしゃいませ」と声をかけ、専用トングでドーナツを掴み、テイクアウトボックスに詰めて手渡すという一連の接客所作は、子どもの社会性と手指の巧緻性を育む理想的なステップとして親層から絶大な信頼を獲得しています。