時代が平成、令和へと移り変わっても、「札」を商う人々やショップは形を変えて存在し続けています。現代における「札屋」は、主に2つの領域で熱狂的な市場を形成しています。
1. 貨幣・古紙幣専門店としての札屋
明治通宝や太政官札、戦時中の軍用手形、あるいは希少な連番紙幣などを専門に扱う古銭商。彼らは歴史的価値を持つ紙幣を鑑定し、コレクター間での売買を媒介します。保存状態(コンディション)や発行枚数によって、額面の何千倍もの値がつく世界です。
2. トレーディングカードショップ(TCGショップ)
サブカルチャー文脈において、若者の間で「札屋」と呼ばれるのがトレーディングカードショップです。『遊戯王』『ポケモンカードゲーム』『マジック:ザ・ギャザリング』など、1枚の印刷された紙(カード)が数十万〜数千万円で取引される現象が起きています。
かつて江戸の武士が蔵米手形に価値を見出し、明治の民衆が花札に熱中したように、現代の若者もまた小さなカードという「札」に価値を見出し、所有欲を満たしています。構造は数百年前と何一つ変わっていません。