私たちが「地震雲だ」と勘違いしやすい雲の多くは、実は気象学的に名称と発生理由がしっかりと定義されている現象だ。代表的なものを挙げよう。
例えば、空に一直線に伸びる不気味な雲は、上空を通過した航空機が残した「飛行機雲」が、風の少ない安定した層で拡散せずに残ったものだ。また、山を越えた風が波打つことで発生する「高層雲」や「巻積雲」は、空全体に美しい波紋や格子模様を作り出す。地表から立ち上るように見える雲も、遠方の積乱雲の端だけが地平線から見えているケースがほとんどだ。自然界は私たちが思っている以上に、多様で奇妙な造形美を作り出す。